保育士をまもることにつながる
「子どものための環境」
子どもが”遊びに集中できる環境”というのは、保育士がなるべく余裕を持って保育に向き合うためにとても重要です。
たとえば、ケンカがおこりにくいということであったり、モノを取り出しやすくしまいやすいであったり…ひとつひとつは基本的なこと。でも、これは「環境が実現できる機能」でもあります。
これが備わっているのとらないのでは、保育士の「個別対応に取られる時間」が格段に変わります。
個別対応が多くなってしまい、従来見越していた検討のための時間や他の作業が切り詰められ、注意が散漫になり、不注意やエラーにつながる…。
保育士がなるべく余裕を持って子どもたちと接し、安全で安心な保育を行うことは結果として子どもだけでなく、保育士を守ることにもつながります。
集中できる環境は、落ち着いて遊べるということ
子どもたちが集中して遊べる環境は、適量のおもちゃと整理整頓が可能な収納スペースから成り立ちます。子どもたちが自らおもちゃを取り出し、遊んだ後に自分で片付ける。当たり前ですが、こういうことが非常に重要。
散らかりにくい機能が備わっている空間では、スペースも有効に使えることにつながり、限られたおもちゃや場所の取り合いに発展しにくい、という効果を発揮します。
また、片付けしやすいということは、お片付けを通して子どもたちの自立心を育むことなどにもつながったり、他のおもちゃも目につき取り出しやすいので、取り合いが生じることを減らすことにつながります。
遊びの空間分け
遊びにおける「静」と「動」の区分けは子どもたちの行動やきもちに大きく影響します。
例えば、絵本コーナーやままごとスペースのように、異なる活動に適したエリアを設けることで、子どもたちは自然とその場の雰囲気に合った行動を取るようになります。
ふさわしい場の空間分け、というのは保育士への負担を軽減することにもつながります。
子どもの目線での設計
子どもたちの目線に合わせて設計された環境では、子どもたちが興味をもつことや遊びへの参加の意欲を高める効果につながります。
例えば「収納やお片付け」という観点でみても、低い位置に収納を設けることで、子どもたちが自分の力で物を取り出し、遊びや学びに簡単にアクセスできるようになります。
このような「子どもたちの視点からみた室内や園内」という議論が十分になされてた結果、保育園の設計から内装工事までが行われたケース、というのはまだまだ多くは見られません。
子どもたちの自発性を促すことで「保育士が個別に対応しなくてもどうにかなるケースを減らす効果」を得ることも可能なのです。